森と湖の国で知られるスウェーデンですが、環境先進国、福祉先進国として
も知られています。 アメリカや日本の一部で環境や福祉を優先すれば経済が後退するということを まことしやかに言う人がいますが、それはやり方次第だということを証明した国です。 日本はアメリカをモデルとして今のような格差社会を作ってしまいました。 これからはフィンランドやスウェーデンから学ぶものが多いような気がしてなりません。 下記のコラムを読んでください。 シラカバ林の間に、別荘のような家が数軒ずつ点在する。屋根に備えた太陽光パネルで夏の給湯を賄い、冬場は木材ペレットを燃料にした共同ボイラーの温水を循環させて地域暖房に使う。電気は割高でも風力発電からの電力を購入している。 ストックホルムの中心から地下鉄で十二分。一九九五年、世界で初めて首都に誕生した環境配慮型の住宅地エコビレッジ「ウンデルステンスホイデン」には、四十四戸に約百六十人が住んでいる。使うのは再生可能エネルギーだけ。自動車も共同使用だ。生活にかかわる二酸化炭素(CO2)の排出は限りなくゼロに近い。 「もともと温暖化は意識してなかった」と、九〇年の構想段階からかかわってきた建築家で住人のローゲル・イサクソンさん(59)は話す。 理想としたのは都市近郊の自然の中に居住し、健康で環境に優しい暮らしの実現にあった。家の建築材から有害化学物質を除去し、コンポストなどのごみリサイクルを確立した。再生可能エネルギーにこだわったのは「反原発よ」と妻のマリーさん(54)。 森と湖の国スウェーデンは、七二年に初の国連による環境会議を開催したように環境意識が高い。米スリーマイル島で原発事故が起きた翌八〇年には、国民投票で原発全廃を決めたほど。その後「持続可能」をキーワードにした官民の取り組みが始まり、その果実であるエコビレッジは今、国内で二十カ所以上を数える。 地球温暖化が国際問題に浮上した九〇年代後半以降、“脱化石燃料”の動きは一気に加速した。首都を走るバス約二千台のうち、エタノールなどのバイオ燃料を使う車両は22%を超えた。ストックホルム交通会社は「もちろん世界一」と胸を張る。コストはかさむが二〇一一年に50%、二五年には全車両達成の目標を掲げる。 首都圏約百万世帯の暖房を受け持つ会社「フォータム」は、ごみ発電や木材ペレットなどを組み合わせ、再生可能エネルギーの割合を75%に引き上げた。将来は燃料の運搬まで含めて100%の実現を目指し、「欧州で指導的役割を果たしたい」と野望を抱く。 スウェーデンは〇六年までにCO2などの温室効果ガスを九〇年比で9%減らした。その一方でこの間、国内総生産(GDP)を44%伸ばした。環境省のエリック・ハマショルド気候変動担当大使は、CO2削減が経済停滞を招くという米国の主張に「それほど単純ではない。やり方次第だ」と自信を持って反論する。 海外からの視察者が相次ぐエタノールバスなど環境ビジネスは、今後の飛躍が期待される。排出権取引による経済的メリットも大きい。温暖化対策の優等生国スウェーデンは、他国に先んじた環境技術を国益に結合させ、同時に影響力の拡大も図るしたたかさを持ち合わせている。
by windsflowcafe
| 2008-03-05 10:17
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